INFORMATION

初めに

この細胞分子生物学研究室のホームページは、一期生の本田大士君を中心に当時の研究室のメンバーの協力によって作られたものです。このオリジナルデザインを尊重しつつ、改良を加えていきますのでご意見をお寄せ下さい。


学内向け情報

研究室の方針

大切なこと:

自然科学の研究にとって最も注意しなければならないことは「何かに囚われてモノを見てしまう」ことです。思い込みや何らかの前提条件に囚われていると新しい発見はできません。しかし、何かの観点に立たなければモノを見ることは出来ません。無意識に何かに囚われてしまうことと、意識して一つの観点に立つことの違いを峻別しよう。観点を変えて考えてみることが出来るようになることが科学的にモノをみる第一歩です。


大切なこと(続):

あらゆる言説は事実と意見(解釈)とから成り立っています。どこまでが事実でどこからが意見(解釈)なのかを見極める習慣をつけよう。議論(ディスカッション)は事実を共有するところから始まります。


大切なこと(続々):

失敗から目をそむけるな!たとえ、それが単なるミスであったとしても目をそむけてはいけない。ミスはどのようにして起こったのか、防ぐ手立てはあるかなど、学ぶべきことは多い。冷静に失敗の分析をし、記録し、周りの人にも伝えよう。失敗してもそれを回復する手段を身につけている人は強い。そういう人は本当に信頼できる人だ。失敗もせずに、やすやすと99回成功を続けた人が100回目に失敗した時、立ち上がることがどれほど困難かを想像してみよう。失敗から立ち直った経験は人生で最も大切な財産だ。

大切なこと(続々々):

「不都合な真実」に向かい合わなければ、前には進めない。自分の立てていた作業仮説に反する実験結果が出た時、あるいは自説を否定するような論文が出版された時、できれば信じたくない、読みたくないと思うのは、普通の感情です。でも、「不都合な真実」に真正面から向かい合わなければ、決して前には進めません。必ず、矛盾を包含する解決策が出てくるので、正面から向き合うべきです。

実験の基本的態度:

安全第一、データ第二、倹約第三が基本的な約束です。安全が確保されない時は実験をスタートさせることも継続することもいけません。健康や安全を損ねてまでしなければならない実験はありません。安全が確保されている時はデータを取ることを最優先させます。きれいなデータがいつも取れるとは限りません。いつでも出来ると慢心せずに、記録に残せる形でデータを取ってしまいましょう。安全とデータの質を確保しつつ、倹約を心がけることは意外に難しいことですが、実験に慣れた段階で無駄が無いかどうかを考える習慣をつけましょう。

研究は準備がすべてです、準備で結果が決まります。準備が6割から8割かも知れません。準備には、考え方(作業仮説)、装置や試薬の手配、研究費の獲得、人材の確保、法律や規程に適合しているかどうかの確認、そして、研究室内での告知が含まれます。誰にも秘密で研究をスタートさせることは禁忌です。そして、一旦始めた研究は、最後までやり抜かなければなりません。最後とは、学会発表、原著論文発表、データベースへのアップロード、遺伝子バンク、細胞バンクへの寄託を意味します。それが叶わなかった場合は後継者にきちんとしたバトンタッチをしなければなりません。構築したプラスミドのリストと構築の方法、ビッグプレップした試料、正確に記述した実験ノートの引き継ぎです。

セミナー:

研究室セミナーを行います。現在は週一回、金曜日3~5限に行っています。時には軽食を取りながら夜遅くまでかかる事もあります。外部研究機関(外研)へ派遣されている方にも発表と参加の義務があります(生命理工学特別ゼミの単位認定と関係)。このセミナーでは卒業研究の進行状態を発表するプログレス・レポートと文献紹介を合わせて行います。卒論の進行に影響するほど、各人に回ってくる頻度(負担)は高くはありません。しかし、社会で生きていくための自己表現技術の基本として、また4年間の勉強の総仕上げとして最重要視しています。このセミナーの初めに、各人の研究テーマを研究室の全員に理解してもらうための研究計画発表会を行います。


研究室での生活:

今年度は研究室(12306)に座る場所が6人分、共通の部屋(12303)に4人分の座席があります。譲り合って利用して下さい。研究室は組換えDNA実験室に指定されているので、飲食や喫煙は禁止です。飲食は12303または教員室で行うこととします。研究室で緊張する必要はありませんが、仲良しクラブの部室ではありません。実験や作業をしている人の邪魔となる行為を容認しないこと。麻雀や3人以上のカードゲームは禁止です。勉強や実験が最優先です。

知識・情報の共有:

研究室の中ではプロトコール、文献情報、実験結果はネガティブデータを含めて共有しています。


習得できる実験技術

以下の技術は細胞分子生物学研究室での必須の技術であるとともに、現代の生命科学諸分野の基本技術でもあります。外部研究機関で卒論を始める人にも、他大学の大学院に進学を考えている人にとっても必須であることには変わりはありません。

○遺伝子改変技術
○細胞培養技術
○遺伝子導入技術
○ウェスタン・ブロティング
○免疫沈降法
○免疫組織化学
○タンパク質の精製と解析技術
○タンパク質の2次元電気泳動法
○MALDI-TOF-MASSによる配列分析
○DNAの配列解析
○蛍光偏光消光法による相互作用測定


使用できる設備

研究で用いる実験機器

○マイクロ遠心機
○冷却遠心機
○卓上型超遠心機
○倒立型実験顕微鏡
○落射型蛍光顕微鏡
○分光光度計
○蛍光分光光度計
○ABIプリズムキャピラリー型配列決定装置
○ブルーカー飛行時間型質量分析装置
○炭酸ガス培養装置装置
○クリーンベンチ
○共焦点レーザー顕微鏡
○細胞内カルシウム濃度測定画像解析装置


遺伝子解析ソフトの習熟とWebでの情報収集

現代では、Entrez-PubMed をはじめとする大規模データベースからの情報取得技術が不可欠となっています。また、遺伝子解析ソフトも必須の研究手段となっています。パソコンの使い方と共にこれらのソフトやデータベースの使い方に慣れ親しんで下さい。当研究室で用意しているソフトはGenetyx Mac Ver11.2 でMacintosh での利用となります。Windows 版のGenetyxも購入したので、使えます。Windows 版のGenetyx(Ver. 13)は教育用のクライアントサーバ方式を導入したので、パソコン教室を用いて、使い方の講習会を行ないます。

Gene Runner v3.05 という使い勝手のよい遺伝子解析ソフトを見つけました。Windows 7 に対応しています。それ以降のOS では多少使い勝手の悪いところもありますが、充分使えます。高機能です。良く練習して使いこなせるようになることを薦めます。Gene Runner v3.05 はWindows7.0(32bit)にはインストールできますが、残念ながらWindows7.0(64bit)にはンストールできません。ご注意下さい。Windows7.0(64bit)移行のOS(Windows10)にはGene Runner v4.0が使えます。研究室に適切なversion がありますので、当研究室に問い合わせてください。

Gene Runner v3.05は授業用フォルダの中にもありますが、下記のサイトからダウンロードできます。ご利用下さい
http://www.generunner.net/


SnapGeneという優れた市販ソフトがありますが、その宣伝用の"SnapGene® Viewer"という機能限定版がかなり役に立ちます。以下のサイトからダウンロードしてご利用ください。
http://www.snapgene.com/products/snapgene_viewer/

遺伝子万能解析サイト
http://www-personal.umich.edu/~ino/HELP.HTML

フリーの遺伝子解析ソフトBioEdit v7.0.9.0(2007/6/27, Updated)を配布しているホームページアドレス.GenBankの最新データベースを直接取り込めるのでアップデートして下さい。
(H.K.君が見つけてくれた優れものです)
http://www.mbio.ncsu.edu/BioEdit/bioedit.html

ソフトへの直接のリンク
http://www.mbio.ncsu.edu/BioEdit/BioEdit.zip
ただし、解凍ソフトが必要になります。


その他の遺伝子解析ソフトを紹介しておきます。試してみてください。
Gentle: http://gentle.magnusmanske.de/

DNAdynamo:http://www.bluetractorsoftware.co.uk/

APE:http://biologylabs.utah.edu/jorgensen/wayned/ape/


卒論のまとめ方(細胞分子生物学研究室)

1.要約 (Summary)

研究の目的、結果、結論を明瞭に記す。できれば、ひとつのパラグラフが良い。多くても2つのパラグラフで書く。省略形を用いない。文献の引用をしない。

2.序論 (Introduction)

この研究を行なう背景にある知識を手短に述べる。その分野の壮大な総説を書くのではない。研究室の以前の研究と関係のある場合はその内容にも言及し関係(学問的)についても言及すること。その上で、研究の目的を明確に述べる。結果は過去形、真理は現在形。

3.材料と方法 (Materials and Methods)

特別な試薬や酵素などについては会社名も記載する。動物を使った場合は、株名(BALB/c, C57B6など)、性別、月齢なども書く。ベクターやプラスミド、細胞株については入手先、特徴などを必要に応じて書く。実験方法は他の人が追試できる程度に詳しく具体的に分かりやすく書く。操作上で気がついたこと(問題点、コツなど)があれば付記する。なお、実験操作など自分が実際に行ったことは過去形で書くことに注意。 プロトコールではないことに注意する。

4.結果 (Results)

項目別に書く。図や表を示したら、本文中にその説明・解釈を書く。図表には簡単なタイトルを付け、本文の相当する内容の近くに入れる。事実をできるだけ客観的に記述する。結果は過去形で記述するのが原則。この項の中での考察は必要最小限(次の実験を行なう根拠など、各節の最終文など)にとどめる。考察的記述の部分は現在形。

5.考察 (Discussion)

考察は研究の最も重要な部分である。結果から導き出せる結論を述べた上で、公表されている関連研究との関係を議論する。どこが新しい結論で、どこが今までの考え方を指示するのかを明確にする。根拠を示した上で、自分(達)の考えをできるだけ述べること。結果を引用している部分は当然のことながら過去形だが、現在形が原則。

6.謝辞 (Acknowledgements)

本来は、親兄弟、友人、配偶者、などに感謝するための欄ではありません。その前に、研究に必須であった研究費に対する記述、有益なコメントをくれた研究者に対して科学的な記述を残すことが重要です。

7.文献 (References)

本文中には、関連した部分の右肩に片括にいれた番号をつけて引用する。文献は番号順にならべ、論文の著者名、論文のタイトル、雑誌または本の名前(本の場合は出版社)、巻号、ページ(はじめと終わり)、発行年を書く。

(例):
1) Honda, H. and Kawashima, H. (2003) Maniac behavior of lungfish in the Mongolian desert. J. Mol. Ecol. 95, 1137-1259.
2) Sambrook, J., Fritsch, E. F., and Maniatis, T. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring HarborLaboratory, Cold Spring Harbor , NY


卒業生の進路(累積)

学部卒:61名

内部大学院進学:65名(東京電機大学大学院、生命理工学専攻)

外部大学院進学:20名(東京大学大学院5名、大阪大学大学院、東北大学大学院、名古屋大学大学院、東京工業大学大学院2名、筑波大学大学院4名、東京医科歯科大学大学院2名、北陸先端科学技術大学院大学、静岡県立大学大学院、北里大学大学院、順天堂大学大学院)


配属希望の方々へ

研究室の見学は随時おこなっております。12306室へ直接、お出で下さい。

コース選択で迷っている2年生の相談に乗ります。いつでもおいで下さい。

生命系の研究、特に遺伝子を使った研究は、見た目の派手さとは裏腹に、苦しくつらいものがあります。 だから、くよくよしない明るい性格の人、口より先に手が動く人が向いています。また、器用であること、 実験が好きなことが重要なことも多々あります。実験が厳しい分、田中研究室ではほとんど規則を定めていません。 明るさと思いやり(想像力)を保つことが最低限のマナーです。体力と勇気とほんの少しの機転があれば怖いものなしです。


平成28年度の大学院院生受け入れ最大人数は6名でした。


学外協力研究室

共同研究など協力関係を保っている学外の研究室です。

かなり長い期間、以下の研究室で指導を受け、研究を行なっている人もいます。

国立環境研究所
国立成育医療センター
(財)日本皮革研究所
東京大学大学院農学生命科学研究科
新潟大学脳研究所
埼玉医科大学
日本赤十字埼玉県血液センター