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研究紹介

概要

 私たちの身体には、損傷した組織の機能や形態を再生する潜在能力(自然治癒力)が備わっています。
 しかしながら、加齢や疾患による治癒力の低下、限界を超えた大きなダメージを負った場合には、生体組織の自然修復(=組織再生)は期待できなくなります。
 薬物療法で対処できないような機能不全に陥った組織や臓器(器官)の治療では、移植などの外科療法が最後の手段になってきますが、臓器移植や人工臓器による外科治療にも多くの課題があります。
 そこで、自分自身の正常細胞から対象組織や臓器を再生することが可能になれば、他人からの臓器移植や人工臓器に頼らない、新しい移植医療(=再生医療)の技術に繋がります。
 また近年では、ES細胞やiPS細胞等の万能細胞に関心が寄せられがちですが、生体内にも多分化能を有する幹細胞(間葉系幹細胞)や前駆細胞は存在しており、これら細胞は再生医学研究に欠かせない存在となっています。
 当研究室では、次世代の再生医療技術の開発を目的として、生体に移植するための細胞・組織・器官の作製法・移植方法や、それら移植物の有効性や安全性を評価する「生体組織工学」に関する研究に取り組んでいます。
 また、細胞分化や組織の再生・修復機構について、生体分子や細胞間の相互作用を解明する基礎研究から、実験動物を対象モデルにした移植療法に関する応用研究に至るまで、生命科学の視点から再生医学の研究を展開しています。

<メッセージ>
 再生医学や基礎医学全般に興味がある学生は、是非一度、当研究室へお越し下さい。
 小規模な研究室ながら、オリジナリティーと活力のある研究グループを目指しています。
 企業と連携した製品開発研究にも取り組んでおり、実学尊重の実践をリードしています。


主な研究テーマ(2024年度)


1.ヒアルロン酸がもつ生理活性・機能の解明とその医学応用
2.炎症反応の制御による組織再生・治癒過程の促進に関する研究
3.間葉系幹細胞の分化制御に関する研究
4.スフェロイドの機能制御のための培養プロセスに関する研究
5.移植免疫および抗腫瘍免疫に関する研究
6.機能性バイオマテリアルの開発(癒着防止材、他)
7.各種病態モデル動物を用いた細胞移植医療による新規治療法の開発
8.医薬品・医療材料等の生物学的安全性評価
など


その他

1.当研究室の研究業績(学術論文)は、本学HP・研究者情報DBサイトをご覧ください。
  (→http://ra-data.dendai.ac.jp/tduhp/KgApp

2.第23回日本再生医療学会総会(2024.3.21-23, 新潟)において、当研究室から発表した発表した一般演題が
  「優秀演題賞」(ポスター)を受賞しました。
  対象演題:「高分子量ヒアルロン酸はマスト細胞の機能を制御する」(大野さん*, 田谷野, 村松)

3.第21回日本再生医療学会総会(2022.3.17-19, 横浜・Web開催)において、当研究室から発表した演題のうち、
  ショートプレゼンテーションの部で発表した2演題が受賞しました。
  対象演題:(1)「CD8陽性T細胞に及ぼすヒアルロン酸の生理活性」(高橋さん*, 伊藤, 村松)
       (2)「ラット腹膜擦過モデルにおける分解制御型ヒアルロン酸誘導体の癒着抑制作用」
         (守谷君*, 蓮沼, 小関, 関口, 村松)

4.第40回日本炎症・再生医学会大会(2019.7.16-17, 神戸)において、当研究室から発表した一般演題が
  「優秀演題賞」を受賞しました。
  対象演題:「流体環境は単球が血管内皮へ粘着する能力を増強する」(小田君*, 池田, 高橋, 柳田, 野辺, 村松)

5.当研究室のヒアルロン酸研究に関する記事が、日経産業新聞(H29.3.29付)に掲載されました。
  記事タイトル「幹細胞 壁を越えて(中) 免疫の抑制、手段多彩に(ヒアルロン酸など移植に活用)」

6. 軟骨再生の研究論文が掲載された学術誌において、当研究室のデータが表紙絵を飾りました。
  (J. Biomater. Nanobiotech. Vo.3(1), 2012)


所在地

〒350-0394
埼玉県比企郡鳩山町石坂
東京電機大学理工学部12号館
教員室:12308B室
研究室:12304室