食品のおいしさは、主に舌で感じる呈味、鼻で感じる香り、そして口全体で感じる食感(テクスチャー)1で構成されています。私の研究室では特にテクスチャーをコントロールする研究2を行っています。
タンパク質は食品のテクスチャーを造ります。例えば、ゆで卵やかまぼこがプリプリしている1、スポンジケーキやメレンゲがフワフワしている2、マヨネーズがクリーミーである3、などはタンパク質のお陰です。これらをタンパク質の物性機能と言います。
新しい方法1で食品タンパク質の物性機能を高める(コントロールする)研究をしています。そのような新しい技術の開発と同時に、何故そうなるのか?のメカニズムをタンパク質の分子レベルで研究します。
東京電機大学の建学の精神である「実学尊重」に基づき、実社会で役立つ技術の開発を第一に考えています。同時に、幅広く産業で応用される真理の探究も行います。
食品産業では、差別化された製品を開発したい、製品を効率よく低コストで製造したい、製品の保存安定性を高めたいなどの課題が沢山あります。それらの課題を解決する新しい技術の開発をしていきます。開発した技術の特許を取得することも視野に入れています。
卵白や卵黄のタンパク質を主に扱います。一方、世界の潮流として植物や藻類や昆虫のタンパク質への関心が高まっているのでそれらのタンパク質も視野に入れていきます。
卵白や卵黄のタンパク質は、食品の中では特に優れた物性機能(ゲル化性、起泡性、乳化性)を持っています。その他の食品タンパク質の物性機能を鶏卵タンパク質のそれに近づけることを狙っています。
30年以上食品業界で、主に研究開発部門で仕事をしていました。経営企画、海外留学、海外子会社勤務の経験もありますので、広い視野から実務経験に基づいた指導ができます。
実務経験だけでなく研究や特許の業績もあります。査読付き論文55報、出願特許46件(内登録は25件)など。学外の研究機関や企業との連携も盛んに行っています。